仙人池の朝

 

NHKの番組「山の歌」で紹介された、

北アルプス剣岳の奥にある「仙人池ヒュッテ」の

            名物オバアちゃんに会いたくて、女房とふたり。


            ザンザン降りの雨の中、怖い大雪渓をくだり、ゴウゴウと流れる激流の脇をへつ

って(2日前に落ちて行方不明者あり)ようやくヒュッテにたどり着いた。

なんと、お風呂とおトーフが出迎えてくれて感激! 

 

さらに翌朝は、絵のような日本晴れになったのでした。

 

 

 

 

 

雨とガスの木曽駒ヶ岳

 

日頃の行いが悪かったのか、早朝4時20分、明るくなり始めた小屋の周囲は

濃いガスで何も見えなかった。……待ったが、あきらめて下山の準備をしながら、窓の外を見ると

ガスの切れ間から、残雪の峰々が見えだした。

「やったア、行くぞ、アタック!」

50分後、

私たちは強風の中、標高2956mの残雪の木曽駒ヶ岳の山頂に立っていた。

が、下山途中で、再び濃いガスと冷雨が容赦なく襲ってきた。

 

 

 

3つ峠から南アルプスを望む

 

  TVドラマ「氷壁」のロッククライミング・シーンの撮影が行われた三つ峠へ。

  山麓は、色とりどりの花が咲き乱れ

  山頂では、まだたっぷりの残雪がのこる南アルプスの、

大パノラマが出迎えてくれた。

 

 

蝶ヶ岳の黎明

 

数えきれないほど、たくさんの日の出をみてきたけれど

 

やはり高山の、まったく音のない世界の中で、息を詰めながら見つめた地平線と


天空の色彩の変化していくさまは、……神々への合掌。

 

 

 

新雪の仏果山

 

 

ある程度は予想していたけれど、これほどたくさんの雪が積もっているとは、

標高747mの仏果山を甘くみてしまった。

けれど、白い雪のまばゆさと、冬木立の明るさと、どこかでえさえずる小鳥たちの声があたりを包んでいて……

とっても気持ちのいい休日を過ごすことができた。

オマケは、下山してから山麓の温泉宿にフロだけ入りに行ったら、予約の人しかダメですと断られてしまった。

でも、「そこを何とか、お願いできないでしょうか?」と、頼み込んで。

広い男女別浴槽に、ひとりずつ、貸切り気分でつかって………ああ、ゴクラク極楽。

 

 

 

常念岳への朝

 



蝶が岳の山頂にあと少しというお花畑に、老人が1人うずくまっていた。
声をかけると、「胸のポケットからカプセルを出して、飲ませてくれ…」と死にそうな声でうめいた。
飲ませてしばらくすると、上半身を起こし
「名古屋から1人できたんだけど、…どーしても登るんだったらって、医者がクスリを持たせてくれて…」と言う。
小屋まで担いで行くか、従業員を呼んできましょうか?
と聞くと、「もう大丈夫だから、先に行ってくれ…」とニガ笑いで答えた。
私たちが小屋に着いてから、40分も過ぎたころ、その老人がようやくたどり着いた。で、すぐに売店に行き
ウイスキーの小瓶を買ってくると、コップを2つ出し、なみなみとついで
「ありがとう助かった、命の恩人と乾杯だ!」と差し出した。
こんどは、私が、ニガ笑いを浮かべてしまった…